四日市港管理組合は、3月に四日市港におけるカーボンニュートラルポートの形成の推進を図るための『四日市港港湾脱炭素化推進計画』を公表しました。

 

 本計画は、四日市港の港湾区域及び臨港地区はもとより、四日市港を利用する荷主企業や港湾運送事業者、船会社等、民間企業等を含む港湾地域全体を対象とし、水素・アンモニア等の受入環境の整備や、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化、集積する臨海部産業との連携等の具体的な取組について定め、四日市港におけるカーボンニュートラルポート(CNP)の形成の推進を図るものとなります。

 

 四日市港では、昨年11月に、今後、主要なエネルギー源が化石燃料から水素・アンモニア等へ変化しても、四日市港が、これまでと変わらず我が国における重要なエネルギーの輸入・供給拠点としての役割を果たしていくため、産官学が連携し、四日市港におけるカーボンニュートラルポートの形成を推進することを目的として、『四日市港港湾脱炭素化推進協議会』を立ち上げ、当推進計画の策定を進めてきました。

 

 公表された『四日市港港湾脱炭素化推進計画』は、四日市港管理組合のHPにて、ご覧頂くことが出来ます。

 

≪四日市港港湾脱炭素化推進計画≫

http://www.yokkaichi-port.or.jp/pdf/yp_decarbonization/plan202403.pdf

 

 四日市市では、昨年2月に2050年までに温室効果ガスの排出量の実質ゼロを目指す『ゼロカーボンシティ宣言』を行っており、また、三重県、四日市市、コンビナート企業、エネルギー企業、学識経験者等が参画し、四日市市が事務局を担う『四日市コンビナートカーボンニュートラル化推進委員会』を設置し、四日市コンビナートにおけるカーボンニュートラルに向けた取り組みを推進しています。

 

 こういった動きと並行して、四日市港でのカーボンニュートラルの動きも本格化して来ました。

 

 『四日市港港湾脱炭素化推進計画』では、二酸化炭素排出量について、2050年の実質ゼロは勿論、2030年においても2013年度比で42%削減、約376万トン/年に抑える数値目標を定めた他、取り組み方針として「温室効果ガスの排出量の削減並びに吸収作用の保全及び強化に関する取組」「港湾・臨海部の脱炭素化に貢献する取組」を掲げています。

 

 『温室効果ガスの排出量の削減並びに吸収作用の保全及び強化に関する取組』においては、「港湾オペレーションの脱炭素化」、「CCS、メタネーションによる合成メタンの導入、ブルーカーボンの造成、モーダルシフトの実施の構想などの具体化の検討」を進めていきます。

 

 また、『港湾・臨海部の脱炭素化に貢献する取組』においては、「バイオマス発電やLNGバンカリング事業の継続」、「火力発電所の発電効率の維持・向上、持続可能な航空燃料であるSAFの供給についての検討」、「水素・アンモニア等の輸入・供給拠点の形成等に向けた検討」、「これらの検討結果を踏まえた新たな用地の確保についての検討」を進めていきます。

 

 四日市港としても、今後の主要なエネルギー源が化石燃料 から水素・燃料アンモニア等へ変化していく等の状況下で、変化に対応し競争力を高め、存在感を発揮していく上でも、カーボンニュートラルへの対応に真正面から取り組んでいかなければなりません。

 

 四日市港管理組合では、今後も『四日市港港湾脱炭素化推進協議会』を定期的に開催し、当計画の推進を図り、計画の進捗状況の確認・見直しを行っていきます。

 

 四日市港でも、カーボンニュートラルポート形成に向けた具体的な動きが進んでいます。